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★人生を共に語らえる友と、時間の過ぎ行くのも忘れてしまうような関係は、どんなに素晴らしいことでしょう。 人間はひとりでは生きていけない動物であり、歳をとればとるほど、たとえ妻が身近にいても人恋しくなって寂しさを感じるようになるものです。 子どもたちが近くにいるとか、同居をしているよう状態であれば、人恋しさも少しは紛れるかもしれませんが、やはり身近に友人がいないと、耐えるのはつらいものです。 しかし、ある程度の年齢になってからの友人との関係は、やはりムツ濃いラーメンのスープ味よりも、やはりあっさり味がおすすめです。 学生時代の友だちならいざ知らず、退職後の新しい人間関係は、すべての楽しみを求めないことと、満足しないことを理想とするのが良いでしょう。 午前中は、待ち合わせて映画鑑賞、それからレストランで軽い食事、そして趣味のショッピング、それから夜は居酒屋で一杯というスケジュールなら、丸一日、顔を突き合わすことなり、これほど濃いつき合いはないでしょう。 こんな過密スケジュールなら、だれだって息が詰まるような思いがしてくるでしょうし、なんといっても、お互いの貴重な時間を束縛しすぎなのです。 こういう関係が何日か続きますと、必ず、どちらからともなく、うっとうしいと思う気持ちが強まり、お互いに避けるような関係になります。 古い友人なら、「あうん」の呼吸で、お互いの切り上げ時が自然と分かり合えるのですが、退職後の新しい友だちでは、どちらかが積極的に誘ってくれば、無理に断ることもできず、それなりのつき合いをしてくれるでしょうが、やはり年齢を経てから友だちになったというケースでは、早めにブレイクしてお互いを解放しあうほうがいいのです。 できれば、「昼のランチで世間話をして別れる」「夜だけ居酒屋で軽く一杯する」あるいは「喫茶店でコーヒーでも飲みながら趣味の話などをする」というように、少し物足りないなあと思うぐらいで、別れるのがいちばん長続きする秘訣なのです。 これはちょうど若い恋人同士の交際と同じようなもので、とことん満足してしまうと、飽きられて別れが待っているようなものです。 どんなことにおいても、満足はとことん目指さないのがよく、ある程度、不満が残る程度がちょうど良いのです。 食べることだって、好きなものを腹いっぱい食べたらどうでしょう。 吐き気を催すだけです。 |
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