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大きすぎる欲は持たないほうがいい


★ 青木雄二(1945〜2003)の名言

漫画家、エッセイスト。
代表作『ナニワ金融道』をはじめとする金融マンガの執筆や監修のほか、講演活動も行っていた。

等身大の幸せに気がつくことが大切



★ 適度な欲望を持つことは難しい


あらゆる動物が生存のための本能として、欲求というものを持っています。
しかし人間は、ほかの動物と比べると高度で、つき合っていくうちには非常に面倒な「欲望」というものを持っています。

他人と比べていいモノを持ちたい、たくさんの人に認められたい、モノやお金が際限なく欲しいなど、あげ始めたら切りがありません。

欲望があるからこそ、それを実現するために頑張れるという側面はあります。だから、まったくの無欲でいるよりも、欲望はあったほうがいいのですが、あまりにも大きい欲望を持ってしまうと、今度はそのために身を滅ぼしてしまうことがあります。


★ 夢のような大成功を望むのはいいこと?

1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本に異常なまでの好景気が訪れ、多くの人がお金に踊らされた、欲望の時代といっても過言ではないかもしれません。

当時は金融業者や富裕層だけでなく一般の人々も、株や土地の売買で一喜一憂し、ときに高価なものを買い漁っていたのです。

しかし、この好景気は実態のない泡のようなものだったため、一転して起こった大不況で多くの人が苦しむことになりました。

それから20年以上経ちましたが、今でもバブルのような幻想に踊らされて、損をしてしまう人は少なくありません。

堅実な方法で資産を増やそうと考えるのであれば、大きな失敗をすることはないでしょうが、欲望が強すぎるとギャンブルのように、ハイリスクでハイリターンな投資話に乗ってしまうことがあります。それではいい傾向とはいえません。

「資産を劇的に増やしたい」などと夢のようなことを考えてしまう前に、冷静になり、そんな危険なことをしないで、自分の身の丈に合った幸せを目指すことです。

これまでの自分の毎日を思い出して、その中にあった「幸せなできごと」を振り返ってみてください。それこそが「等身大の幸せ」というものです。


★ 満たされていることを知れば幸せになれる


人はどうして分不相応な欲望を持ってしまうのでしょう。それはただ、幸せになりたいからにほかなりません。自分の現状に納得している人も、そうでない人も、たくさんのものを得られれば、それで幸せになれるのだと信じていますが、それが絶対の正解だとはかぎらないのです。

たとえば、隣人よりモノやお金を持っていなかったとしても、
自分が本当に必要なものを必要な分だけ持っていれば、その時点で不幸ではないはずです。

それに、あなたの周りを見てください。大切な人や場所、記憶など、モノやお金に変えられない宝ものに囲まれているのではありませんか。
それを失わないように守ることも、ひとつの幸せなのです。





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