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辛いできごとによって傷つき、塞ぎこんでしまうこともあるでしょう。でもその経験は、あなたにとって悪いことばかりではないかもしれません。辛い経験を乗り越えた人は、同じように傷ついた人を、癒してあげられるのです。 ★ 人の心の機微に触れられる 辛く悲しい経験をした人や、今現在苦しい状況にいる人は、心の傷を抱えて塞ぎこんでしまっているかもしれません。ですが、その痛みはあなたにとって、決してムダにならないのです。 辛さを味わった人は、人の心がどれだけ繊細で、傷つきやすいかを理解しています。傷の原因は数あれど、「痛いということ」「苦しいということ」に変わりはありません。 だから、他の人の傷心で涙を流しているとき、その気持ちを冷静に理解してあげられるのです。もしも、自分と同じような経験をしているのであれば、そこから回復するヒントを与えてあげられるかもしれません。 また、落ち込んで、心の殻の中に閉じこもっている間は、自分自身の心と深く向き合っています。自分がどんな人間なのか、普段はどんなことを考えていたのか。 そして、それがどうしてこんなに弱って、悲しい思いをしているのか。元気に日常生活を送っている状況では、そこまで深く自分自身について考えることはないかもしれません。だからある意味では、自分を知るためのチャンスを得ているのだといえます。 本当の自分と向き合えたということは、人の心の繊細さを理解する器ができたとも考えられます。それゆえ、自分が傷ついたようなことを他の人には決してしないような気遣いができるのです。 もちろん、辛さを味わったことがあるからといって、自分の気持ちや他人の気持ちがすべて理解できるわけではありません。それでも、心の痛みの辛さをわかる人にしかできない、傷ついた人へのケアがあるはずです。 ★ 立ち直った人にこそできることがある 辛い経験を乗り越えて、心の傷が癒えた人は、周囲の人への応対も変わってくるでしょう。なぜなら辛いときこそ、自分を支えてくれた人たちに対して、強い感謝の気持ちが芽生えるはずだからです。こうした気持ちを大事にしていきましょう。 人生はいろいろなことが起こるものです。場合によっては、また別の傷を負い、塞ぎこんでしまいたくなることもあるかもしれません。 しかしそんなときでも、以前も立ち直ることができたという自信が、自分を励ましてくれるはずです。 楽しいことや嬉しいことだけでなく、苦しいことや悲しいことも、自分の中に蓄えられた大切な経験のひとつです。この資産を生かせば、いろいろな人をもちろん教えるはずです。できることから、初めてみましょう。
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