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【古歌11】・・古歌に学ぶ生き方



   山水も
     木の根岩の根 くぐらずば
        大海原に いかに出ずべき




【歌の意味】

山に降った雨でも、木の根や岩の根をくぐるなど、多くの障害を乗り越えた末に、やっと大海原に出られるのです。


最近では、楽してカネを儲ける方法がインターネット等を通じて蔓延していますが、ウマイ儲け話がそう簡単に転がっているわけはありません。

もちろん、あなたの適性にあった職種に偶然にでも就けば、あなたの能力をいかんなく発揮して地位や財産を自然と築けることもあるでしょうが、そんなことは神業に等しいとしか言いようがありません。

たとえば、ダービーに出られる馬でも、その能力を見つける人がいません。
つまりどれだけ優れた才能や素質があっても、それを見つけ出し、世の中につなげてくれる人がいないと、社会に埋もれたままになります。

中国の古諺(こげん)に「千里の道を駆ける名馬はあっても、伯楽(馬の目利きに優れた人)は常にはいない」というのがあります。
つまり非凡な才能や素質を持った人は大勢いますが、適材適所と言われるような職種や職場に導いてくれる人は少ないので、その結果、楽してカネを儲けるような秘法などさらさらないと言わざるを得ません。


それだけ世の中に出ることは難しいということです。

こういう世の中だから、われわれは常に八方にアンテナを巡らせ情勢の変化に少しも目を離さない努力が肝要で、どの方面の職種でも良いから、専門家以上の技能や技術の習得を目指して、修行するしか方法がありません。

このような努力の末に一本の光が見えてきます。
世の中で成功するためには、目利きに逢うことをあてにせず、自分で自分の道を切り開いていくことこそ、まさに成功の秘訣ではないでしょうか。





古歌に学ぶ
11 山水も 木の根岩の根 くぐらずば
大海原に いかに出ずべき
12 なにごとも 我をあやまり したがいて
負けてさえいりゃ この身安心
13 生業に はげむる道の 奥にこそ
黄金花咲く 道はありけり
14 教えぬに 決して上見ぬ 藤の花
ただ足ることを 知りて咲くらし
15 笑い声 朝夕絶えぬ 家をこそ
玉の台うてな)と いうべかりけり
16 小石をも 避けてソロソロ はびこりて
松は岩をも 砕くなりけり
17 橋なくて たとえ天に のぼるとも
俺が俺がは 任されもせず
18 古(いにしえ)は 心のままに 従いぬ
心よ今は 我に従え
19 心より 心を得んと 心得て
心に迷う 心なるかな
20 心をば 心の仇(あだ)と 心得て
心のなきを 心とはせよ



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