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【古歌46】・・古歌に学ぶ生き方



   雨露に
    打たるればこそ 楓葉(もみじば)の
           錦を飾る 秋はありけり




【歌の意味】

楓(もみじ)は冷たい雨や霧にさらされるから、秋には錦のように美しく変身するのだという趣旨です。


モミジも太陽の光を燦々と受けるだけでなく、冷たい秋雨や深い霧にさらされるから、よりいっそう鮮やかな赤、燃えるような真っ赤に染まるのです。

紅葉の美しさは、暑いなら暑い、また寒いなら寒いというように、季節にメリハリがありますと、美しい紅葉に染まるように、人間でも、厳しい環境の中で育ってこそ、はじめて一人前になるのです。

人間の顔でもあなたの人生の生き方で磨かれ完成するといわれています。
そこにはその人の生きざまが集約されている。

男女とも四十歳を過ぎたら、どんな生き方をしてきても、それなりに山あり谷ありのドラマや、人には言えない苦労があったことだろう。
誰一人として生き方は同じではない。

そんな人生の中でも、心の持ち方ひとつで顔つきが変わります。
貧相な顔、頑固の塊のような顔、どことなく陰険な顔、見るからに弱々しく精気のない顔、セカセカとして落ち着きのない顔、その他もろもろあった、あなたの周囲でも、さまざまな顔が見られるでしょう。

なかには、ふくよかな円満顔、おっとりしてなごやかな顔、落ち着いて悠々とした顔、ホッタリと温かみが感じられる顔、無邪気でよくのない顔といった、すばらしい顔も見られるでしょう。
これらは、その人の身についた品格がなせるところ。
みな烈風にさらされ、何年あるいは何十年という長い苦労をかいくぐってきた末にできた顔であります。
辛いから、お金がないからといって逃げてはいけません。

とにかく「今日は、この世の大晦日(おおつごもり)。一夜明ければ一陽来復、どんな運勢の展開になるやらしれぬ」と思い、何事にもくよくよせず、そんなときは早めに寝るに限ります。

扇の風が涼しいのは、扇に裏表がないからです。

人間も心に裏表がなければ、大勢の人から慕われるものです。





古歌に学ぶ
41 人知らぬ 心に恥じよ 恥じてこそ
ついには恥じなき 身にはなるらめ
42 ありがたし 嬉しと生業 励みなば
富みもたらいで 名ぞ顕わるる
43 善悪の うつる鏡の 影法師(かげぼうし)
よくよく見れば 我が心なり
44 コメ蒔いて コメが生ゆれば 善には善
悪には悪が むくゆるとしれ
45 世の中を 恥じぬ人こそ 恥となれ
恥じる人には 恥ぞすくなき
46 雨露に 打たるればこそ 楓葉(もみじば)の
錦を飾る 秋はありけり
47 世の中を ただいたずらに 渡りきて
老いてののちの いまは後悔
48 賢さの おのが心に だまされて
キツネはワナに かかるなりけり
49 我がためを なすは我が身の ためならず
人のためこそ 我がためとなれ
50 千枝(ちえ)もも枝 茂れる松も そのもとは
ただ双葉(ふたば)より 生えそめしなり



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