|
★ 趣旨 外を見る目を自分自身に向けて、内面と向き合いなさいという意味です。つまり、他者と比較するのではなく、自分の可能性を信じて、前向きに振り返ろうということです。 若い頃から、ずっと前だけを見て全力で進んできたという人でも、ときには自分の歩んできた道を振り返ることが必要です。 じっと目を閉じて、静かにときを過ごしてみてください。 前進すること、進歩することばかりに気を取られて、自己を見失い、大切なことを置き去りにしてきた、ということはありませんか? 外界に振り回されず、自己の内面と向き合う。今まで行ってきたことを、光の当て方を還るように考え方を変えてみるのです。 「退歩を学すべし」とは、退化するというような後ろ向きな気持ちではなく、我をもう一度見詰め直すということです。そして、方向転換の必要があれば、ポジティブな気持ちで道を選びなおしたほうがいいのです。 国も同じだと考えます。 未曾有の大災害に対して、先進国である我が日本は「退歩を学すべし」だと考えるのは、おかしいことでしょうか。 【禅のスタイルを愛していた著名人】 禅はもともと南インド出身の達磨大師(生没年未詳。5〜6世紀の人)が中国で広めた仏教の一派とされています。そして、鎌倉時代に日本に伝わり、発展した禅の教えは、近年「ZEN」という日本文化として世界各国に広まっています。 海外の著名人には、日本式の「ZEN」を生き方に取り入れた人が数多くいます。なかでも、とくに有名な人が、Apple創業者のひとの、スティーブ・ジョブズ(1955〜2011)。 iPhoneをはじめとすねAppleの製品は、ボタンの少ない洗練されたデザインが特徴。そのシンプルさは、禅の思想と共通するものがあります。また、彼はときおり禅に通じる言葉をスピーチに取り入れていました。 2005年、スタンフォード大学卒業式でのスピーチの一節です。 「今日が人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことは自分が本当にやりりたいことだうか?」。その答えがNOとなる日が続いたとき、自分を変える必要があるというのです。 道元禅師の言葉、「後日を待って行道せんと思ふことなかれ」に通じています。
|
|
|||||||||||||||||||||||||
Copyright (C)2015. 古歌・辞世の歌・禅の言葉・名言・格言から生き方を学ぶ All rights reserved. |