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世の中は ウサギとカメの かけくらべ 早いからこそ 遅くなるらめ 【歌の意味】 うさぎは足が速く、カメは足が遅いため、どうしてもかけっこでは負けてしまいますが、最後に幸福を手に入れるかどうかは別です。 これを人間界にあてはめますと、小賢しい知恵を持った人と、智者といわれるような豊かな知性を持った人との差ではないでしょうか。 小賢しい知恵のある人は、自分の出世のためには、会社でも上司の機嫌をとり、また、同僚を蹴落とすような策略を用いるなどして上司に上手に取り入り、立身出世を図ろうとしますが、豊かな知性のある人は、普段から自分の内面を見つめ修養を積んでいるため、姑息な手段など使わず、正々堂々と世の中をわたろうとします。 人生でも青年中には、上司にとって使いやすく小賢しい人が重宝がられて、出世は早いかもしれません。 しかし、壮年期になりますと、智者はやはり人格と人間の内面に深みがあって、他人を思いやる心と、部下を的確に指導するだけの技量、それに部下からも慕われる人徳もかね備わってきますので、最後は磨きぬかれた知性のある人が勝者になる可能性が高いです。 人間として生まれてきた以上、目先の利だけを追い求めず、人生とは何かということも常日頃から深く追求し、人間性を高めることも大切です。 |
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