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思うまま ならで逆目に 立つ板は おのがカンナに 錆があるゆえ 【歌の意味】 直接的な意味は、上手に板が削れないのは、カンナに錆がついているからだということですが、これは自分の身の上に起こるすべての問題の発生は、自分自身の心のあり方に問題があるという趣旨の歌です。 ここで、人間の運命と運勢について考えてみましょう。 私たちが生まれてくるときに、天に注文できないものが数点ほどあります。 @ 男に生まれてくるか、女に生まれてくるか。 A どういう家柄の家に生まれてくるのかどうか。 たとえば政治家輩出の家柄か、あるいは商売人の家か、あるいは農業を営む家なのか。 B どういう名前が付けられるのか。 C どの国のどの場所に生まれてくるのか。 D 兄弟がいない。 E 親が早く死んでしまった。 これらについては、あなたの意志では決めれません。 これが運命といわれているものです。 運勢とは、生まれた後の出来事などを指します。 @ 仕事は順調に進み、出世街道を歩んでいる。 A 結婚をしたが、夫婦不仲で離婚の危機を迎えている。 B 仕事は何をやってもうまくいかず、精神もイライラして怒りっぽくなり、 人間関係もうまくいかない などです。 ここでの歌の意味は、持って生まれた運命はいかんともしがたいですが、生まれて以後の運勢は、すべて自分の行動とか、考え方がもとになって展開されてくるもので、今ある運勢は自分自身がせっせと作り上げてきたのですから、日頃の努力によって好転することが可能です。 「おのがカンナに錆があるゆえ」とは、心の持ちかたや人との付き合い方の基本が間違っているといっているのです。 |
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