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【古歌8】・・古歌に学ぶ生き方



   世の中は
     月にむらくも 花に風
       思うにわかれ 思わぬに逢う




【歌の意味】

世の中は、自分の思い通りには動いてくれないもので、こんなはずではなかったのにという思惑違いが、いつも待ちかまえているものです。


勤務先はもとより、職場でも職種でも、自分で勝手に決められず、不本意にも適性のないところに追いやられたりと、ままならぬものです。
それらのことも、よくよく後で考えますと、自分の能力や徳を高めてくれる試練であったというようなことが往々にしてありますので、まずは我慢して与えられた職務を黙々と全うすれば、浮かぶ瀬もあろうというものです。

いずれにしても、運の良い人というのは、この世の中には一握りの人しかおらないような気がします。

わたしも、いろいろと占い相談などをやっていますが、判断に迷ったときには、悪いほうを言っておけば、まずは当たっているものです。
それだけ良い運というのは、なかなか巡ってこないし、たとえ巡ってきても、それを上手く自分の運に引き寄せることは並大抵ではありません。

人間は人間以上(神や仏)ではないし、人間以下(動物やケモノ)でないことを前提にすれば、人間誰しも、大小の差はあれ、人生の障害や苦難はつきものでありますが、その元をよくよくたどっていけば、自分が過去に蒔いた種が育っただけのことですから、運勢良化のためには、少しでも良い種を蒔くしか方法がありません。

そのような当たり前のことを既に古人は経験され、その味わい深い心を歌に残してくれたのです。


そこで、人生に良い種を蒔くためには

@ 勝ち上手は人に嫌われ、負け上手は人に好かれる。

A アホらしいことに慣れ、つまらないことに慣れるような東洋的愚者(ぐしゃ)【人情や愛を大切にし、目先の不利益に惑わされない人】に徹する。

B 心こそ、地獄と心の作り手であることを自覚する。

ことではないでしょうか。






古歌に学ぶ
1 世の中を 安々渡れ 古人(ふるひと)の
聖(ひじり)の文を 道のしるべに
2 世は 海よ 身は浮き船よ 心をば
舵とぞ思い 心して漕げ
3 夫には 従うものと 知りながら
夜のみとこそ 思いしぞ憂(う)き
4 女房は 愛するものと 知りながら
昼は粗末に せしぞ愚かや
5 芋を見よ 子に栄えよと 親痩せて
えぐうなったり 甘うなったり
6 苦と楽の 花咲く木々を よく見れば
心の植えし 実の生えしなり
7 井を掘りて あと一尺で 出る水を
掘らずに出ずと 言う人ぞ憂き
8 世の中は 月にむらくも 花に風
思うにわかれ 思わぬに逢う
9 火の車 作る大工は おらねども
己(おの)が作りて 己が乗り行く
10 すこしずつ 盃に入る 酒なれど
家田畑も ついに傾く



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