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【古歌23】・・古歌に学ぶ生き方



   見る人も
     見らるる人も うたた寝の
        夢まぼろしの 浮世ならずや




【歌の意味】

昼寝姿を見ている人も、見られている人も、この世のはかなさを知らない。


私たちの脳裏の奥深くにある古き良き想い出や、あるいは何の心配もなく無邪気に遊び回ったあの子どもの頃の楽しい想い出は、まさに夢幻としか言いようのない遠い過去のもので、二度とよみがえることはなく、たとえ過去の写真を見ても、想い出としてボャーっと残っているだけで何も確たるものはありません。

私たちが、「今」と言っている間にも、その「今」は過去(夢)のものとなっており、本当にこの世は、夢で走馬灯を見ているようなものです。

「今(いま) 今(いま)と 今と言う間に 今ぞ過ぎ行く」

このように考えますと、人生は儚い夢のような連続で、今日は昨日の続き、今日の続きが明日なら、ほんとうに人生は夢の中にあるといってもおかしくありませんね。

私たちはこのような夢のような儚い世界に生きているとはいえ、現実に戻りますと、喜怒哀楽があって、悲喜こもごもの人生があり、また、交通事故などに逢いますと、現実の痛みも待っています。

自分の希望や理想と、またそのようにならない現実との狭間で生きていくためには、今をよりよく充実して生きていくしか方法がなく、それには昨日も今日もないことを知らなければなりません。

生活指針としては


@ つまらない人気や虚名で嬉しがってはいけない。

A 勝って驕るのは、奈落の底への第一歩と心得よ。





古歌に学ぶ
21 心こそ 心迷わす 心かな
心に心 心せよ
22 その道に 入らんと思う 心こそ
わが身ながらの 師匠なりけり
23 見る人も 見られる人も うたた寝の
夢まぼろしの 浮世ならずや
24 夢の世を 夢とも知らず 夢を見る
覚めたるも夢 夢もまた夢
25 一生を 夢とも知らず 覚めぎわに
夢と知りゆく 夢の世の中
26 かいなしや きょうはきのうの あやまりと
思いしりても あらためぬ身は
27 何一つ とどまるものなき 世の中に
ただ苦しみを 止めて苦しむ
28 惜しめども いつかさかりは 過ぎにけり
とめくるものは 老いにぞありける
29 世の中の 風に心を さわがすな
学びの窓に こもるわらべは
30 堪忍の 袋をおのが 首にかけ
破れたら縫え 破れたら縫え



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