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★ 趣旨 誰もが、白く輝く月や吹き渡る風のような心を持っているように、さまざまな柵(しがらみ)や束縛を忘れて、カラッと冴え渡った境涯でありたいという趣旨です。 暑い夏が終わり、初秋から仲秋の風景にぴったりな詩です。 これは中国北宋代第一の詩人、蘇軾(蘇東坡)( そとうば )(1037〜1101)の代表作『後赤壁の賦(こうせきへきのふ)』の中のものです。 簡単に情景を説明すると、あくまでも澄み切った空に一輪の月が美しく輝いているとき、どこからともなく一陣の清風がススキの穂を揺らす様子を表したものです。 「あぁ、秋はいいなぁ」と思わせる詩ですね。 ですがこの詩は、単純に情景描写をしただけではありません。 禅の教えでは、「私たち人間社会の中で金品や地位、名誉、主義、主張などの欲にとらわれていては、自分自身が輝く月や、清らかな風のようになれない」と教えています。 この境地は、つらい修行ののち悟りを得た限られた人間だけが持てるということではありません。 本来、人が生まれながらに持つ清らかな心は、誰にでもあるものなのです。 ときには、さまざまな柵を捨てて、仏心のように純真清明に過ごしてみてはいかがでしょう。 |
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