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【禅の言葉】・・心は万境(ばんきょう)に随って転じ、転処(てんしょ)実(じつ)に能く幽なり


★ 趣旨

人の心は、周囲の状況に惑わされて変わりやすいという意味です。




心とはいったいどんなもので、私たちの体のどこにあるものなのでしょう。

今さら、言うことではないかもしれませんが、私たちの体は、さまざまな臓器で成り立っています。そして、その臓器には心臓も含まれますが、心は心臓にある者なのでしょうか。

もし、心臓に心があるのだったら、心臓移植した人は自分の心がなくなってしまうはずですが、そうではありませんね。

私たちは、人を好きになれば、旨がドキドキします。また、悲しいことがおきたときには、胸が締め付けられる思いがします。そして「心が動かされる」「心が苦しくなる」と自分の心を表現したりもします。

さらに、相手の心を表現する場合は、「心が広い」「心がきれい」などともいって、あたかも心が独立して存在するかのように扱っているところがあります。

★ 心はもともと鏡のように無心であるはずですので、写したままに素直になりましょう

でも、私たちのまわりの世界を心が勝手に表現し、認識するものではありません。

そして、心はけっして変化の少ないものではありません。
心そのものは、もしもし鏡のように無心であるはずなのです。心自体が、喜び、悲しみ、憂いなどを感じ取っているわけではないのです。

「心は万鏡に随って転じ、転処実に能く幽なり」という禅の言葉は、仏教として心のあり方を捉えた言葉のひとつです。「心とは、私たちの人生の中で、縁にしたがって転じているだけだ」と禅の言葉は教えています。

禅宗では、人生における喜怒哀楽には、自分の心が写したままにしたがっていればいいと教えています。それが自然の姿なのですから。

悲しいときには泣き、嬉しいときには喜べばいいのです。繕う必要などまったくありません。

すると、社会の現象や噂などに惑わされて心が揺れ動き、ほかの人が感動したから私も感動しなくてはおかしい、などという執着にとらわれません。あなたの心中はあなただけの平常心を持てるはずです。


たとえ、社会がどのように流されていても、常に同じ尺度でものごとを判断することが可能になるでしょう。
そんなふうになれれば、毎日がとても穏やかに遅れるのではないでしょうか。





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