|
★ 趣旨 何もかも打ち捨てろという教えであり、すべてのものに執着せず、我を忘れたときに世界が広がるという意味です。 「放下」とは、投げ捨てる、放り出す、捨て切るという意味で、「著」は、「放下」の意を強めるために用いています。 「放下著」とは、すなわち「煩悩妄想はもちろん、仏や悟りを追い求める心までも捨て去りなさい、すべての執着を投げ捨てなさい」という意味です。 これは自分の持っているもの、知識、役職、主義、誇りなどすべてを捨てなさい、という意味ではありません。 「放下著」とは「すべての欲求、要求を一瞬にして忘却し、自分を開放しなさい」といっているのです。 自分の限界は、我を忘れた無我の行為によって超えることができます。アスリートが記録を更新するのと似ていますね。 幕末の志士、西郷隆盛は、「金もいらぬ、命もいらぬ、名誉もいらぬ人が、一番扱いにくい」と、江戸城無血開城の功労者である山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)のことを評したとか。 剣・禅・書の達人といわれる鉄舟は、もしかすると「放下著」を体得していたのでしょう。
|
|
|||||||||||||||||||||||||||
Copyright (C)2015. 古歌・辞世の歌・禅の言葉・名言・格言から生き方を学ぶ All rights reserved. |