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世の中は 虎狼も ものならず 人の口こそ なお勝りけり 【歌の意味】 恐ろしいのは虎と狼といわれていますが、本当に恐ろしいのは、口さがない他人の中傷とか陰口が恐ろしいという趣旨です。 確かに狼でも虎でも、野に放たれたら非常に怖い動物ですが、実は人間の口から発する罵詈雑言とか中傷のほうがよほど怖いのです。 うわさとか陰口が、どれだけ人を傷つけ、おとしめているかを思い知らされて教訓になりますね。 こちらの思いを相手に伝えるのは、対話の基本ですが、これがなかなかむずかしいものです。 とにかく、百回、相手に話したとしても、よく伝わって、70パーセントどまりならいいほうでしょう。 あとは聞いた相手がこんどは自分勝手の考えで話の内容を理解するのですから、始末の悪いこと、この上ないです。 それならたとえば話の内容を要約して相手に渡すほうが、幾分かの理解の違いはあっても、こちらの真意が伝わりやすいかもしれませんが、そのようなめんどうなこともできず、人との会話ほど難しいものはありません。 |
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