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世の中を 四尺九寸に なしにけり 五尺のからだ おきどころなし 【歌の意味】 他人に不義理を働いたら、世の中に顔向けできなくなるという趣旨です。 尺貫法が用いられていた昔は、男子のことを「五尺の身(からだ)」と言っていました。 身長としては1尺が30.3cmですから、語釈では151.5cmになります。 ここでいう四尺九寸は、この五尺に1寸(約3cm)足りない状態です。 つまり、少し身長が不足する人のことをいいます。 この少しの不足とは、他人に迷惑をかけるとか世間の義理にそむくようなことをするとか、その他、何かのことが原因で世間をはばかるところとなり、シャンと背筋をのばして堂々と表通りを歩けない暮らしをすることをいいます。 そればかりか、ついには、この身の置きどころさえなくなって、きまりが悪くて身を隠さなければならなくなってしまう人もいます。 何ごとも最初は小さなことからはじまります。 何もとびきり大きな失態とか、過ちをおかした人のことを言うのではありません。 ほんの少し、たとえば、ちょっと頭を下げるとそれで済むのに、きまりが悪いからとかあほらしいとかの理由で頭を下げないとか、金銭にしても、かならずしも高額ではないのに返済せず、最後には踏み倒したのが原因で、その人の家の前を通れないようになるなど、自らが蒔いた種で世間を狭くする人はよくいるものです。 要は最初に、ちょっと頭を下げるか下げないかで、その後の人生が明るいものになるか、暗いものになるかが、決まってしまうのです。 |
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