|
★ 趣旨 自分が未だ得ていない悟りを、ほかの人に先に得させてあげるという意味です。 「自未得度先度他」の心とは「自らは未だ得ていなくても、まず先に他に得えさせてあげる」という利他救済の心のことです。菩提心(最高の悟りの境地)を起こすということで、発菩提心(ほつぼだいしん)ともいわれています。 この心は、己を空しくしなければできないことでしょう。 よく新聞の折り込みチラシやネット広告などで、「限定○○名様」「早い者勝ち」「あなただけにお知らせします!」などというキャッチコピーを見かけませんか。 また、街を見渡せば、見せの開店前から行列を作る人たちや、バーゲン会議での競争、渋滞道路での割り込みなど、「自分がまず先にしたい」「他人よりはまずは自分が大事」といった行動を見かけることがしばしばあります。 あるいは、昔の人は、人や世の中を救うことを目的に学問を志していましたが、今では、競争相手をけ落としてでも、自分だけが競争にうち勝つために勉強していませんか? 果たしてそれは学問でしょうか? こういう他人を尊重せず、ないがしろにする行動から、人間関係のもつれや、モメゴト、ひいては国同士の戦争を引き起こしているのです。 この言葉が示す禅の教えは、「自分が道を渡るより先に、ほかの人を渡らせましょう」ということで、つまり、「自分が得ていないものを、まず先に他人に得てもらおう」ということです。 「自分が自分が!」と我を通す前に人間をはじめ、生きているあらゆるものに利益と幸福を与えたい、という気持ちです。 本の少しでも構いません。 多くの人が譲り合いの精神を持つことで、いじめや差別のない世の中が生まれるのです。 |
|
|||
Copyright (C)2015. 古歌・辞世の歌・禅の言葉・名言・格言から生き方を学ぶ All rights reserved. |