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★ 趣旨 根拠のない、間違った考え方をしてはいけないという意味で、事実とは別ものや妄想で、行動を左右されないようにとの趣旨です。 北条時宗が強大な元軍とどう戦えばよいかと悩みに悩んで無学祖元に参禅したとき、祖元は「莫妄想」と書いて時宗に示したそうです。 「うまくやろうとか、どうしたら勝てるとか、負けたらどうしようかとか、そのような雑念を起こすときではない。今やるべきことに専心せよ」と諭したそうです。 仏教の教えにおける「妄想」は、一般的に知られている「妄想(あれこれ想像すること)」よりも広い意味を持っています。 煩悩によって心に迷いが生じたり、決まっていないことに、くよくよと考えてしまうことも「妄想」なのです。 「あの人は私を裏切るかもしれない」という疑いも、「考えていた試みが失敗するかもしれない」という不安も、実際のところはわかりません。 すべて妄想に過ぎないのです。 私たちの心の中から、迷いや不安、疑念が完全に消えることはないかもしれません。 でも、そんな妄想を前にして、「あの人と仲良くするのはやめよう」「挑戦するのは諦めよう」などと。ネガティブな方向へ舵取りしてしまう人が多いのは悲しいことです。 妄想にしたがって行動すると、あなたの可能性はどんどん狭くなってしまいます。 人との縁や挑戦の機会を失ってしまわないように、妄想にはくれぐれも注意したいものです。 それでは、妄想しない(莫妄想)ためにはどうすればいいかと言えば、 ・過去のことについては、忘れること、気にしないこと、あきらめること。 ・未来のことに関しては、どうせ未来はなるようにしかならないと、一種の高をくくること。 ・そして、現在なすべきことをしっかりとすること。 しか方法がなさそうです。 |
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