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★ 趣旨 日常の一挙手一投足、そのすべてが自己を鍛える道場であるということで、自分の日常の中にも、修業の道場はどこにでもあるという趣旨です。 禅では一歩一歩、歩くことも、シャワーを浴びることも、食事をすることも、睡眠を取ることなども、日常生活でのあらゆる場面のすべてが道場であり、人生そのものが修業であることを諭しています。 「健康のためにスポーツはじめよう!」などというときに、まずは格好や、環境を整えようとする人がいます。いいウエアやシューズを購入したら、パンフレットを見てオシャレなジムを選びたいという人は、案外多いのではないでしょうか。 でもそれがいけないことだ、といっているわけではありません。 健康のために身体を鍛えるのであれば、たとえば、歯を磨きながらスクワットをする、通勤のバスを使うのをやめ駅まで早歩きする、電車の中ではかかとを上げて立つ、寝る前にベッドで腹筋運動をするなど、同じ目的であれば、日常の環境で工夫して行うことは、いくらでもできるのではないでしょうか。 私たちは、その心がけ次第で、一日一日が自身の成長の過程となり、修行の場となるわけです。 ビジネスの世界でも同様のことが言えます。 今、自分のおかれている環境、立場、役職などに不平や不満を持ち、「これでは自分の力が発揮できない」と、部下や上司に進言する、といったことはよく聞く話です。 そんなときこそ、この「歩歩是道場」を思い出しましょう。 いつでも、どこでも、自分の心がけ次第で自分を高めていく修行はできるのです。 むしろ、少々環境が悪いときこそチャンスです。自己の成長を加速させるには、もってこいのシチュエーションでしょう。 アスリートの世界でも、次のような話を聞いたことがあります。 あるスピードスケートのショートトラックのオリンピック出場選手がインタビューを受けたときに話してしました。その選手は、街中で人混みを歩くときに、その状況をレース中に見立てるというのです。 「あっ今、インコースがあいた」と一瞬の隙に前の人を抜いていくという具合に、街を 歩くそうです。 日常の何気ない状況をうまく活用して、イメージトレーニングを積んでいるというわけです。 |
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