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人は誰でも幸福を切に求めるものです。人間の価値観は多様ですから幸福にもいろいろありますが、その人の心が欣喜雀躍(きんきじゃくやく)して手の舞い足の踏むところを知らずという状態になりえたときが、その人なりの幸福の最たる境地といえるでしょう。 しかし、これはただじっとしていては、よほどの達人でないかぎり、このような境地になれるはずがありません。 結局、私たちは良いことを推進するしか良い運命の展開につながらないのです。そしてこれも、あたかも淡雪が地面を凍らすほどに降り続かないと白雪になって積らないように、よいことも継続して続けないと本物にまでならない難しさがあります。 ですが、なんとしてでもやり遂げて、より高い境地に自分を持っていくことが幸福への最短距離であるといえそうです。 ここでは古人の文言の一部を紹介しましょう。 ◎ 悪意悪食を恥じないこと みすぼらしい服装をしていることや貧しい食事をしていることを恥とするようなものは、まだ一人前の人物ではない・・・。 ◎ 名位にとらわれないこと およそ名声ほど頼りないものはありません。落選した代議士はタダの人といわれる・・・。 ◎ 寸暇を惜しむこと 学問をするのにヒマがあるというのはおかしい、他のことならいざ知らず、学問の道には蛍雪の功しかない・・・。 ◎ 争わないこと 他人との争いほど己の心に毒を積むものはない・・・。 ◎ 驕らないこと 慢心ほど醜いものはないし、自惚れほど危ういものはない・・・。 ◎ 楽しみは極めないこと 頂上を過ぎれば後はくだり坂が待ち受けているだけだ・・・。 ◎ 愚痴をこぼさないこと 愚痴は自分の品格を下げるだけ、一文の得にもならない・・・。 ◎ 不平を言わないこと 不平はカネやモノが集まらないどころか、最後には人も皆そっぽを向く・・・。 ◎ 意をまことにすること 誠実性がない人、もしくは誠実心が不足している人は孤独への道を一直線・・・。 ◎ 志は満たさないこと 何ごとも腹八分目の控え目がよい・・・。 ◎ 水に鏡(きょう)しないこと 君子は自分の心を見るのに、自分の周囲にいる人の人柄で見るとか・・・。 ◎ 日に三度、我を顧みる・・論語 昔から人のフリ(姿形と言動を)を見て、わがフリを直せとの言葉があります。ここでは一日に三回、自分を反省せよと言っています。そういえば幸運は息づまる反省から生まれる言葉もあります・・・。 ◎ 身を高地におけば水は流れてこない、常に謙虚の低きにおれば百川(ひゃくせん)は自ら流入する。清濁を併せ飲むから自然に大きく深くなっていく・・真渓涙骨 人間はお高く止まっていては、人も情報もカネもモノも集まってきません。志は胸の奥深く大きく秘めていて、しかも頭を低くしておれば自然にそれらが集まってきます。 できるヤツもできないヤツも、ずるいヤツもそうでなヤツも、つまりどのようなタイプの人間でも「来るものは拒まず」式に接すると、いつとは知れず自分も大人物になれます。小さな肝っ玉では何一つ手元に残らないものよ・・。
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