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修養に関する古言・古歌【U】


★ 『麒(き)を晞(した)う馬は既に麒の乗たり』・・・揚子法言


立派な馬を慕うものは既に立派な馬といえる、転じて立派な人を慕う人は既に人は既に立派な人物であると言える。ですから、真似でもよいから立派な人の真似をするべきである・・・。

★ 『その家を教うるべからずして、能く人に教うるものは之なし』・・・古言

他人に立派な説教をする人がいるが、自分の家庭がメチャクチャになっていて、どうして他人に説教などできようか。よって他人に教えを説くものはまず自分の家を整えなければならぬ・・・。



★ 『良弓(りょうきゅう)は張り難し、良馬は乗じ難し』・・・墨士

遠くのものに対して命中率の高い弓は強弓でなければならない。すると当然、強弓は蔓を引っ張り難いし、良い馬も素人には簡単に乗りこなせるものではない。つまり何事もそう簡単にできるものではない・・・。

★ 『妙語(みょうご)は心路(しんじ)を窮めて絶せんことを要す』・・・古言

悟り悟りと簡単に言うけれども、悟りはそのように簡単にできるものではない。しかしだからといって深く考えても、また悟れるものではない。それにはまず、
@ もろもろの欲望から離れること
A 真理の探究に手心を加えないこと
B 変な色気を去ること
C 公平に物事を見つめる目を養うこと
などから始めなければならぬ・・・。

★ 『悲しみて傷(や)らず、楽しみて淫せず』・・・論語

悲しいことがあっても悲観したり嘆いたりして心を腐らさず、楽しいことがあっても有頂天になって喜んだり、誰はばかることなしに自慢したりして心まで堕落しない・・・。

★ 『心を養うは欲寡(すくな)きより善きはなし』・・・孟子

修養するのには欲望を少なくするのにまさるものはない、しかしこれは修養の第一歩であって全部ではない・・・。

★ 『一日善を行えば福いまだ至らずといえども禍い自ら遠ざかる』・・・古言

わずかな善行を行うのは、ただちに福徳にいたるものではないけれども、禍いがわが身から自然に遠ざかっていくのだけは確かである・・・。

★ 『言葉や理屈で人がついてくるのではない、その人の体臭が人を引きつけるのだ』・・・真渓涙骨

言葉や理屈で人をねじ伏せても、あるいはどれだけ弁舌が巧みでも、それたけで人がついてくるのではない。それには持って生まれたその人の体臭的なものに、日ごろの努力の積み重ねの結果による完成された人柄が人を寄せ付けるのである・・・。

★ 『その身を修めんと欲するものはまずその身を正しくし、その心を正しくせんと欲するものはまずその意を誠にす』・・・大学

修養しようと思えば心を正しくしなければならぬ、心を正しくしようと思えば誠実でなければならぬ・・・。

★ 『玉、磨かざれば器を成さず、人、学ばずんば道を知らず』・・・礼記

ダイヤモンドも原石のままでは大して値打ちがあるわけではない。まして人間ではなおのこと。真理を説く学問に頭を入れずして、人としての基本的な生き方がわかろうはずはない・・・。

★ 『麒(き)は一日にして千里なれども、駑馬(どば)十駕(じゅうが)すれば則ち亦之に及ぶ』・・・荀子

サラブレッドのような名馬は一日で千里の道を走るかもしれないが、荷役に使われる下等の馬でも、一頭につき百里ずつ分担させて十頭に次々とリレーさせたら、サラブレッドと同じように千里の道の役に立てられる。転じてそれだけの能力がないと思われる人でも、倦(う)まずたゆまず努力するなら必ず大きな成功が得られる・・・。

★ 『己を燈火とし己を拠りどころとせよ、真理を燈火とし真理を拠りどころとせよ、他のものを拠りどころとするな』・・・古言

まず最初に自分で学んでもしっかりした信念を養うならば、他人の言にフラフラすることがなくなる。そして次には真理を頼りにして一意専心して進むならば、その人生において大きな狂いが生じない・・・。





正しい生き方を学ぶ
1 人間とは大いなるもの
@ 古聖前賢の言葉に従う
A 仏語にある四苦八苦とは
2 宇宙は二象一態で成り立っている
@ 二象一態とは
A 男は男らしく、女は女らしく
B 唯物論的な経済至上主義が人の心をダメにした
3 真理とは
@ 天地間を貫く二象一態と万物生存五原則
A 人間は宇宙の落とし子である
B 真理に従うしか成功する方法はない
4 自己を知るほど難しいものはない
@ 自分の心を映し出す
A なぜ、報われないのか
B 自分を正しく生かすとは
C 人間は万物の霊長として創られている
D 人間が「万物の霊長」と言われているゆえんは?
E 幸福への最短距離の道とは
5 正しい死生観を持つ
@ 生死について考えよう
A 人間の真の価値について
6 富貴貧賤について
@ 足ることを知るのが人格者
A 富貴貧賤の内容にもいろいろある
7 禍福について
@ 禍福の実態とは
A 禍福は糾える縄の如し
B 禍を福に転換する心構えとは
8 老いについて
@ 人生を無駄に過ごしてはダメ
A 時間は待ってくれない
B 老いは先にあるのではなく、いまこの瞬間にある
9 志について
@ 高い志を立てる
A 高い志を持つには
B 男の役割を逸脱して本当の幸福はない
10 修養について
@ 禅の修養について
A 修養に関する古言・古歌【T】
A 修養に関する古言・古歌【U】
A 修養に関する古言・古歌【V】
11 自然について
@ 人間は自分の力で生きているのではない
A 現在は、この自然に反する考え方が横行



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