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★ 『男子、志を立てて郷関を出ず、学、もし成らずんば死すとも帰らず、人間いたるところに青山あり』・・・西郷隆盛 昔の人は、この言葉を胸に、青雲の志を立てたものですが、現在の学生にこれだけ高い理想に燃えた志を持っている人がどれほどいるでしょうか。 ★ 『燕雀(えんじゃく)、いずくんぞ大鵬の志を知らんや』・・・陳渉 燕や雀のような小さな鳥が、どうして大鵬のような大型の鳥の志を知ることができようか、転じて立派な志を持つ男子は七つの海を雄飛して大成功を収めようとするのに、小人にはどうしてこの大きな志が理解できようか。 大きな志を持っているものには常に遠くを見て現在の足場を固めているが、心の小さいものは、いつも目先損得の事にばかり気を奪われて、どうしても大局を見られない。 なお、大鵬を鴻鵠(こうこく)と書いている本もある・・・。 ★ 『念々ここにありて忘れざるを志という』・・・古言 志とはいつもいつも束の間も自分の胸に覚悟した一つの思いを忘れずに持ち続け、かつ、時が来たらすぐさま実行に移し、大きな成果につなげる原動力になる「心意気の魂」を言う。それゆえに、志は気の帥(すべての気力や行動を統率する大元)にして万事の枢機なりと朱石も言っている・・。 ★ 『志あるものは事ついに成る、他日の成功、鏡にかけて見るが如し』・・・光武帝 束の間も忘れず、心にしっかりとした人生設計図ができているものは、いつの日か必ず成功できる、それはちょうど鏡にかけて見るように確かである・・・。 賢人は志を持つことの重要性をしっかり説いていますが、問題は何に向けて志を立て、そして実行したかが問題です。 もし、志の高いもの(高次元志向の志、自己の人間完成と社会人心に大きく寄与する立場の信念)と志の低いもの(自分の利益中心志向の低次元の志)との二つがあるとすれば、終わりにおける両者の隔たりは天地の違いになります。 ですから、人生の成功・不成功の原因はここにあるといえますので、自覚と方法論がきわめて重要になります。人間は、 @ 両親からどのように躾され育てられたか。 A 家庭環境はどのようであったか。 B 両親から何を教わったか。 C 両親の生きざまから何を感じたか、あるいは何に気づいたか。 D 成長過程で、どのような本や傾向に興味を持ったか。 E テレビではどのような番組が好きだったか。 F それらからどのような情報を得、生き方に共感したか。 G 先生から何を学んだか。 H 友だちから何を学んだか。 I 自分にどのような特技なり特長があるか、何が特に秀でているか。 などの基礎条件から、何に向かって志を立て何を実行したかが、将来の決め手ともいうべき大きな要素になります。 ただ、よく混同しがちなのが志と理想で、志は自分の胸の奥深くにしっかりと覚悟した「魂の塊(かたまり)」であるのに対し、理想には多分に達成への願望が入っています。 人間は理想を持つところに崇高な面があるのであって、そのもの自体は何も責められる筋のものではありませんが、理想の前に既にしっかりした志があることが条件、とくに理想があまりかけ離れたものになると、空想に耽るとか教条主義に陥る可能性がないとはいえないので注意が必要です。
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